みなさんは雨がどのくらいの速さで降っているかを考えたことがありますか?雨は水の粒が上空から落ちてくる現象ですから力学の基本法則であるニュートンの運動方程式で表されます.ところが,教養で習った物理(力学)の公式から計算するととんでもない速さになるはずです.力学で習った公式には,雨の速さを決める重要な要因(空気抵抗)が抜けているのです.このように,ある対象を正しく理解するためには,その対象の要因をしっかりと把握しておくことが大事です.
このゼミでは,ゴルフボールを例にして,普段はあまり気にすることのない空気がどの程度の抵抗をもたらすかを考えてみます.実は,ゴルフボールの表面にはたくさんの凹凸があります.これは「ディンプル」といって,まさに空気抵抗を減らすための工夫なのです.ゴルフボールの飛距離に空気抵抗はどのくらい影響するのでしょうか?また,ディンプルによってボールの飛距離はどのくらい変わるのでしょうか? 実は,世界で最初に作られたコンピュータの利用目的のひとつに大砲の弾道計算というのがありました.放物運動に空気抵抗の影響を含めると問題は大変難しくなるため,その軌道予測にはコンピュータの計算能力が必要不可欠だったのです.今,みなさんが持っているノートPCは当時のコンピュータよりずっと高性能です.そこで,ノートPCを使った簡単なシミュレーションを行い,ゴルフボールの飛距離と空気抵抗の関係を考えてみることにしましょう. (平成13年度主題別ゼミナール解説より)
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ゴルフボールの表面は凸凹になっている.この凸凹をディンプル(dimple,えくぼという意味の英単語)という.では,なぜゴルフボールにはたくさんのディンプルがついているのだろう? |
実際に簡単なモデルを使ってPCでシミュレーションしてみるとディンプルによる飛距離の違いがはっきりとする.初速度40m/sで45°の方向に打ち出したゴルフボールの軌道は下図のようになる.打ち出したボールが最初に落下する地点(グラフのx軸と交差する地点)までの距離を飛距離と考えると,空気抵抗がない場合の飛距離は約165m,ディンプルなしのボールでは約97m.ディンプルをつけると140mとなることがわかる.つまり,ディンプルをつけることで飛距離が4割ほども伸びることになる.なお,この図はT.K.君のレポートから転載したものである.
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第1週資料(PDF形式:17KB)
第2週資料(PDF形式:23KB)
第3週資料(PDF形式:2283KB)
使用している図の関係でファイルサイズが異常に大きくなっています.ご注意ください.
第4週資料(PDF形式:19KB)
シミュレーション・プログラム
(C言語によるソースプログラム:3KB) (DOS/V用実行ファイル:28KB)
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このページは坪井@茨城大学工学部が作成したものです.
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