着氷した翼まわりの非圧縮性流れのシミュレーション

Numerical simulation of Incompressible flow around an Airfoil with Glaze ice

坪 井 一 洋(茨城大工)  木 村 茂 雄(神奈川工大)

K. Tsuboi and S. Kimura

Numerical simulation of incompressible flow around an NACA0012 airfoil with glaze ice is performed in order to estimate the effect of the leading edge shape to the aerodynamic performance. Comparison with the ``clean"( without ice ) airfoil makes the effect clear : In the case of an airfoil with ``rime" shape like a horn, the angle of stall and CLmax become larger though the value of CD is almost the same as that of the clean airfoil. On the other hand, in a ``glaze" shape like two horns the behaviour of CL is similar to that of the clean one and CD becomes double or three times larger. 
1.はじめに
2.計算モデル
3.計算結果
4.まとめ



  風力タービンの設計では、タービン翼の各断面翼型に 対する空力評価からパワー係数(本文 Fig.5 参照)の曲線を求める必要が あります。この図と実際の設置場所での気候条件(風速、風向等の統計データ) とから、設置の可能性や実際の発電効率等を算出します。 ですから、風力タービンにおける流体力学(空気力学)の役割は上記の 断面翼型に対する空力性能の評価にあるといえます。
本文にもあるとおり、風力タービンでは着氷した状態が普通であり、 その際の性能評価が重要になります。通常は風洞試験によってこの評価を 行っていますが、温度や湿度といった条件を満足する実験がいかに困難で あるかは、みなさんご存じのとおりです。 このような背景から、CFDによる風力タービンの性能予測がどの程度 可能であるかを調べることがわれわれの研究の目的です。

  私(坪井)自身、翼の計算というのが初めてだったので、NACA0012 という お馴染の翼型を使いましたが随分と大変でした。 最初、適当(この言葉CFDではよく使いますよね ^^;)に格子を作って 計算したらドンドン剥離して. . .。それで、前縁、25% chord 付近、後縁 に格子を集中させました。それでも揚力傾斜が合わない。 翼の計算の難しさを痛感するとともに、形としての翼型のすばらしさを 実感しています。

  翼の計算をしたことのある方のご意見を伺えればと思います。
実際、翼(表面)に適した(あるいは最適だともっと良い)格子分布というのは 研究されているのでしょうか?


このページは1996年12月に行われた第10回数値流体力学シンポジウム講演論文集をもとに坪井が作成したものです。なお、作成にあたってはNetscape 3.0を用いました。

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