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研究分野と所属学会

数値流体力学(流体現象の計算機シミュレーション)とその関連分野(応用数学,数値解析,プログラミング等)

日本物理学会, 日本流体力学会, 日本応用数理学会, 日本機械学会, 米国航空宇宙学会


学会及び社会における活動

1996年(平成8年)1月〜1999年(平成11年)7月,日本流体力学会会誌編集委員.

1996年(平成8年)〜2009年(平成21年),情報・システム研究機構 国立極地研究所 共同研究員.

1998年(平成10年)9月,平成10年度茨城大学共同開発センター高度技術研修「JAVA入門」講師.資料は「Archives」参照.

2004年(平成16年)4月〜2006年(平成18年)3月,日本機械学会 計算力学部門計算力学講演会担当委員会(2005)委員.

2005年3月 External Examiner of Ph. D. thesis of University Manitoba, CANADA.

2009年3月 日本機械学会関東支部第15期総会講演会実行委員


現在の研究テーマ

  • 2流体Saffman方程式の数理的研究と着氷シミュレーションへの応用
    • 科学研究費補助金 奨励研究(A)(平成9年度〜10年度),基盤研究(C)(平成12年度〜14年度)
  • スポーツに見られる投射問題の数理的研究
    • スポーツ競技の最大投射角の理論的導出など
  • システム手法に基づく非圧縮性Navier-Stokes方程式の新しい計算法
  • ホモトピー解析法による非線形方程式の解析
  • オブジェクト指向方法論のシミュレーション分野への応用

これまでの研究課題と概要

(1) 数値流体力学の実用規模問題への応用
 物体適合格子上での有限差分法による後部に斜め切断面をもつ3次元物体を過ぎる流れの解析,流体と構造物との連成問題を扱う有限差分法の手法開発,複雑な物体形状問題に対する効率的な流体解析システムの開発などがある.
 3次元物体を過ぎる流れ解析では,後部切断面のなす角と抵抗値の関係として知られている実験結果を計算機実験によって再現することに成功するとともに,それが後流構造の違いによることを計算結果の可視化によって明らかにした.
 また,連成問題に対して開発された手法を用いて,流れに直角な方向を弾性支持された円柱の流体力による自励振動問題を扱い,亜臨界レイノルズ数域で円柱に働く流体力やその後流構造を明らかにした.さらに,臨界レイノルズ数域での解析により,振動円柱においても抵抗の急減現象が生じることを見出した.また,この手法を一様流中で強制的に振動させた円柱,あるいは静止流体中での振動円柱に適用し,流体力の時間的変化や後流構造に関する知見を得ている.
 複雑形状問題に対する解析システムの開発では,物体の第0近似表現という概念による新手法を提案し,それに適した数値計算法を開発した.この解析システムの応用として天文台ドーム内気流の予測を行い,複雑な3次元流れを解析することでドーム形状の設計に貢献している.また,このシステムが超並列計算機上で理論予想値の8 割程度の性能が実現することを示した.この解析システムに関連しては数値流体力学における超並列計算の可能性について言及した解説も著している.
(2) 着氷問題に対する流体力学的研究
 情報・システム研究機構国立極地研究所の共同研究員として数値流体力学の手法を着氷現象の解析ならびに予測に適用することでいくつかの成果を得ている.
 実験とシミュレーションを用いた着氷が生じたカップ型風速計の性能評価や着氷した風力タービンブレードの性能解析コードの開発,さらに着氷問題に対して気流相と水滴相を2流体モデルとして扱うことを提案し,構造体表面への着氷現象のより詳細な再現を計算機シミュレーションによって可能にした.
 また,(1)で開発した連成問題の計算手法を応用することで着氷による構造物の形状変化の予測および過冷却状態の水滴群を含む大気中で振動する物体への粒子衝突効率の評価や着氷予測に関する研究も行なっている.
 この研究課題に付随しては過冷却状態の水滴群を含んだ大気のモデル化に関する研究およびそのモデル方程式の数学的性質に関する数理的研究を行ない,これまで明らかになっていなかった性質のいくつかを明らかにしている.
 これらの一連の成果を踏まえて着氷問題へのシミュレーション技術の応用に関する解説も著している.
(3) 非線型現象の数理解析による研究
 流体力学やそれに関連するいくつかの現象に対して数理解析的研究を行い,それらの機構解明を試みている.これらの成果として,離散渦法による有限渦領域の相互作用の研究,非線型発展方程式の解の分岐に関する研究,流れを含む制御系の可制御性に関する研究,伸張座標系上で離散化されたラプラス演算子の条件数(係数行列の性質の悪さを示す指標)に関する研究,マルコフ連鎖に基づく数理モデルによる個別輸送システム合流部で生じる輻輳現象の数理的解析ならびに制御法の提案および現代制御理論に基づいた非圧縮性Navier-Stokes方程式の数値解法の提案などがあげられる.
(4) スポーツ競技の数理的研究
 空気力を受ける放物体の軌道の研究ならびに助走をともなう投射動作のモデル化がある.
 前者としては,速度の自乗に比例する空気抵抗が働く放物体の運動方程式の解をホモトピー解析法によって導出した.
 一方,後者では走り幅跳びの踏切時の動作をモデル化することによりその最適踏切角が理論的に導出されることを示し,さらにより一般的な状況下での最適角の導出にも成功している.また,このモデルによって砲丸投げの最適角も理論的に導出できることを示し,実測値との比較を通してこのモデルの一般化を行っている.

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学位論文

卒業論文 Oseen流中の1/4円弧に働く力 (大阪府立大学)
修士論文 Interaction of Two-dimensional Vortices 修工 第7442号 (東京大学)
博士論文 複雑形状物体まわりの非圧縮性粘性流れに対する数値解析システムの構築 博士(工学) 第11480号(東京大学)


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