2次元翼まわりの空気の流れ

1996年10月作成


初心者コース
このような図は、流体力学の計算機シミュレーションの代表的なものです。空気や水のように普通では目に見えない ものを、コンピュータを用いて可視化(目に見えるように) し、現象の解明に役立てます。

この例では、空気の流れを支配する方程式(ニュートンの運動方程式 の兄弟分にあたる)を計算機によって解くことで空気の 速さ(風速)や圧力(気圧)などを求めます。

ここでは、左から右に風が吹いた(あるいは翼が右から左に 飛んでいると思ってもよい)場合の翼まわりの空気の状態をCGによって表現しています。といっても、ジャンボ・ジェットのような大きなものではなく、せいぜい模型飛行機くらいを想像してください。

図では、圧力という同じデータを色と等値線(天気予報でお馴染の等圧線)を用いて表現しています。色は青いほど圧力が低く(低気圧)、黄色いほど高い(高気圧)ことを 表わします。

そして、この図から、翼の上部前方に圧力の低い部分があり、 上部と下部で圧力に差が生じていることが一目で理解できます。 この圧力差が上向きの力となって空気中で翼を支えているのです。


上級者コース
2次元非定常非圧縮性ナヴィエ・ストークス方程式の数値計算結果です。

翼型はNACA0012、レイノルズ数 170000、迎え角は 5 度。 格子は 177 x 70 の"O"タイプ。
静止状態から加速的にスタートさせた比較的初期の状態で、 まだ完全に流れ場が形成されてはいません。

ソルバーは FORTRAN コードで、 計算は SUN Workstation を用いて半日程度かかりました。(^^;

可視化ソフトはグラフィックスを用いた自作(C言語)です。まだ、ユーザ・インターフェイス等はお粗末の限りで (紹介するほどでもない!)、 とりあえず画像が出せる程度ですが、初めて作ったCのプログラム ということで愛着をもって使っています。


書庫に戻る